今は音楽関係の仕事をしていますが、実は小さい頃は音楽があまり好きではありませんでした。
でも小学校高学年のときに、担任の先生がみんなで歌う時間を設けて、クラスの一人ひとりに曲をつくってくれて。それをきっかけに「音楽って楽しいかも」「曲をつくるのって、気軽なことなのかも……」ってこっそり思いはじめたんです。ラジオでかかっている曲を録音して一人で練習したり、密かに書き綴っていた詩にメロディーをのせて録音したりするようになりました。
当時はかなり多感な時期で、一見明るく振る舞いながら、心の奥ではめっちゃ世の中に中指を立てていて(笑)。幼少期はアメリカで生活して、日本に帰ってきたら価値観の違いに戸惑い、ときにいじめられることもあって。心のどこかで、「自分は、世の中にいるべきではない」みたいな思い込みもあったりしました。
そんな中、よく友だちとカラオケに行くようになり、驚くことに、歌ったらみんながすごく喜んでくれたんですよね。「生まれてこなきゃよかった」みたいな気持ちがあったのに、歌うときだけは唯一、みんなが私を欲してくれるような感覚があって。そこからふつふつと「もしかしたら、音楽でなら世の中に貢献できるかもしれない」って感情が生まれてきたんです。「曲をつくって、ヒットを出して、みんなに届けるんだ!」と、使命感に近いものを抱くようになりました。