岡嶋 かな多

Kanata Okajima

Songwriter・Vocal Producer

誰もが、一度は彼女の関わった
楽曲を耳にしていることだろう。

今回お話をうかがったのは、
安室奈美恵や三浦大知など名だたるアーティストの楽曲を手がける
作詞作曲家、ボーカルプロデューサーの岡嶋かな多さん。

幼少時代の想いや、
作詞作曲家に専念するようになったきっかけ、
そして、オフの過ごし方からバックパックのお気に入りポイントにいたるまで、
たっぷりとお話を聞かせていただいた。

歌うときだけは

「私を欲してもらえている」と感じた

今は音楽関係の仕事をしていますが、実は小さい頃は音楽があまり好きではありませんでした。
でも小学校高学年のときに、担任の先生がみんなで歌う時間を設けて、クラスの一人ひとりに曲をつくってくれて。それをきっかけに「音楽って楽しいかも」「曲をつくるのって、気軽なことなのかも……」ってこっそり思いはじめたんです。ラジオでかかっている曲を録音して一人で練習したり、密かに書き綴っていた詩にメロディーをのせて録音したりするようになりました。

当時はかなり多感な時期で、一見明るく振る舞いながら、心の奥ではめっちゃ世の中に中指を立てていて(笑)。幼少期はアメリカで生活して、日本に帰ってきたら価値観の違いに戸惑い、ときにいじめられることもあって。心のどこかで、「自分は、世の中にいるべきではない」みたいな思い込みもあったりしました。

そんな中、よく友だちとカラオケに行くようになり、驚くことに、歌ったらみんながすごく喜んでくれたんですよね。「生まれてこなきゃよかった」みたいな気持ちがあったのに、歌うときだけは唯一、みんなが私を欲してくれるような感覚があって。そこからふつふつと「もしかしたら、音楽でなら世の中に貢献できるかもしれない」って感情が生まれてきたんです。「曲をつくって、ヒットを出して、みんなに届けるんだ!」と、使命感に近いものを抱くようになりました。

素晴らしい人が歌って想いが届くなら

その方が幸せだと気付いた

音楽の道に進むと決めてからは、高校には行かず専門学校に通って、ひたすらバンド活動をしていました。と同時に、縁あって作詞のお仕事もさせていただくようになって。あるとき、安室奈美恵さんとCrystal Kayさんのコラボ曲の作詞を担当する機会をいただいたんです。その詞に偶然、自分が当時、世の中に対して思っていることをものすごく強くぶつけることができて。何万人ものファンの前でお二人が歌って、その曲に涙している方々を見たとき、「必ずしも自分のメッセージを自分が歌わなきゃいけない、というわけではないんだな」と気付きました。素晴らしいアーティストが歌ってくれるんだったら、私はその方が幸せだし、やりがいがある。その気付きから、腹が決まり裏方に徹することにしました。

そのアーティストを憑依させて書く

条件は多ければ多いほど楽しい

「アーティストさんが歌う」というのが大前提なので、その方が歌うことを想像しながら「どんな曲を歌うと、この方はより輝くんだろう」とか「どうしたらファンの方が喜んでくれるのか」と考えることは、すごく大切にしています。ご本人にお会いしてから書けるとは限らないので、ライブやMVを見て、なるべくその方を憑依させて書きます。

意外と、つくる曲の条件が多いほど燃えるタイプなんです。「何でも書いていいよ」って大海原にポンっと放り出されると、結構怖い。とあるドラマとのタイアップ曲の歌詞を書いたときは、ドラマ側とアーティスト側の要望に違いがあって、「どちらともとれるいい塩梅の曲をください」って言われたんです。両方の期待に応えたい一心で、「それってどこだろう……?ここの針穴を通すといいのかな」って考えながら書くのが、苦しかったけど、楽しかったですね。

みんなのリアルな声を感じたい

音楽業界の変革期はチャンス

やっぱり、皆さんが今どういうことを考えているのかっていうのが、いつでも一番気になります。ひとつのニュースについてもみんな感じ方が違う。だから、時間があればなるべく多くの人に会って考えを聞いてみます。常にみんなのリアルな声を感じていたいから、飲み会に行くのは大好きですね。

今やらせていただいているお仕事は、自分にとって天職。こんな幸せな仕事はないと思っています。これからも一つひとつ丁寧に、そしていただいた機会すべてに対して真摯に応えていきたいですね。幼い頃「なんで生まれてしまったんだ」と未来が見えなくなっていたとき、私を救ってくれたのは音楽。だから、この業界や音楽自体に恩返しをしたいという想いがすごく強いです。今はCDが売れない時代で、音楽の作家さんたちはなかなか生活しづらい。でも逆に言えば、この変革期ってすごく面白い時期で、チャンスでもあると思うんです。クリエイティブな活動を続けてきたからこそ持てるアイデアと業界を越えたコラボ。これらに今とても可能性を感じています。どんどんいろんな業界と手を組み合って、新しい取り組みをしていきたいです。

森に帰りたくなってキャンプに行く

仕事道具もお泊まり道具もすっぽりおさまる

オフの日は、家でゆったりしていることもあれば、友だちと一緒にキャンプやフェスに行くこともあります。「そんなに仕事してんのに、なんでこんなに遊んでんの?」ってぐらい、遊んでると思いますよ。電波の届かない自然だらけの場所に行って、子どもみたいに走り回ったり。仕事が立て込んで来ると「ああ、森に帰りたい!」ってなるんですよね(笑)。

そういうシーンで、この『WICKER』が大活躍してくれています。かなり丈夫だからガシガシ使ってますよ!急な仕事が入ったときも対応できるように、ちょっとした仕事道具は基本的に持ち歩きます。それを入れても平気で3泊4日くらいいけちゃうから、よく連れ出していますね。

いつも走りたいときに走り出せるような格好でいたいので、動きやすい服を選びがち。そこに何かちょっとだけインパクトをプラスしたスタイルにするのが、私らしいかなと思います。その日レコーディングをするアーティストさんによって、雰囲気を変えたりもしますね。おしゃれで奇抜なファッションをする方には、自分なりにとんがったスタイルで行くとか、まるでその方のライブに行くかのような感覚でチョイスします。その方が気分も高まりますしね。今日は、このバッグに一番合うと思うライダースと、知人がデザインしたワンピースを着てきました。

インナーのイエローが魅力的

ウェビングにはそのときの「私の旬」をイン

この『WICKER』は、内側が黄色くなってるっていうのがめちゃくちゃかわいい。開けた瞬間「やっほい!」って感じにアガるからいいですよね(笑)。だって普通の黒いリュックって、中も黒じゃないですか。内側がイエローだと、中身を取ろうと腕を伸ばすのが楽しいんです。

BRAASIの中でもどのバックパックにするかは、かなり迷いました。ウェビングが縦横の『WEBBING』と、斜めの『WICKER』。迷って迷って、よりBRAASIのアイコニックな部分が出てると感じた『WICKER』を選びました。

せっかくだからウェビング部分には何か入れたいなって。今は、マイアミで手に入れたウサギを入れてます。めっちゃ素敵なアートディストリクトみたいなところがあって、そこのショップでこの子を見つけたんです。あまりにもその空間がかっこよかったので、そのバイブスを持って帰ろうと思って買っちゃいました。こんな感じで、ウェビングには自分の中で旬なものを入れたりしています。

「小さいバッグのときはイヤフォンだけど、『WICKER』のときはヘッドフォンを入れてます。こっちの方が聴いてて気持ちがいい」と岡嶋さん。ヘッドフォンに加えて、仕事道具としてパソコンとマイクをいつも持ち歩いているとのこと。

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PROFILE

岡嶋かな多(Kanata Okajima)

作詞作曲家、ボーカルプロデューサー。
1984年生まれ、青森県出身。嵐、安室奈美恵、BTS、西野カナ、King & Prince、TWICE、家入レオ、BABY METALをはじめ、通算400曲以上の作品の制作に参加、提供。2017年には三浦大知『EXCITE』で日本レコード大賞優秀作品賞を受賞。オリコン1位の獲得は、90回を越える。
2013年秋より、スウェーデンにある大手音楽事務所「Roasting House」と契約し、活動拠点を一時ヨーロッパへ。現在は日本に帰国し、グローバルに活動を続ける。幼少時、アメリカで過ごした経験を活かした英語通訳、ボーカルディレクション、ナレーション、ラップにも定評有り。マルチに活躍する、次世代ミュージッククリエイター。

Instagram:https://www.instagram.com/kanataokajima/
Twitter:https://twitter.com/kanataokajima